和太鼓の楽譜を素早く理解するのに必要な2つの基礎知識

和太鼓を叩くのは大好きだけど、楽譜はチョット苦手だなぁと思っているそこのアナタ!

和太鼓の楽譜を素早く理解するには、2つの基礎知識が必要になります。

  1. 西洋音楽の記譜法
  2. 和太鼓に特有の記譜法

なぜ、この2つの記譜法の知識が必要なのでしょうか?

また、和太鼓特有の記譜法ってどういうものでしょうか?

ここでは、この2つの記譜法が必要な背景を説明するとともに、和太鼓ならではの楽譜の表現方法を紹介します。

2つの記譜法を知ることで、楽譜克服の一歩を踏み出しましょう。

西洋音楽の記譜法は必要?

標準的な記譜法が無い世界

伝統的な和太鼓の楽譜には、西洋音楽ような標準化された記譜法(楽典)がありません。

いろんな流派、団体、先生ごとに独自の工夫された記法が乱立している状態です。

さらには、楽譜が門外不出だったり、口伝だったりすることもあります。

様々なローカルルールの記譜法があるため、和太鼓を始めたばかりの人はルールの差に戸惑うことになります。

西洋音楽の記譜法の流用

最近は、和太鼓のプロ奏者が増えてきており、教則本の出版やワークショップ等によって和太鼓の楽譜を入手しやす状況になりました。

そういった楽譜は、より多くの人が素早く理解できるということが大切になります。

西洋音楽の記譜法は、学校の音楽の授業で習うもので、多くの日本人が一度は習ったことがあります。

そのためか、最近の楽譜は、西洋音楽の記譜法をベースにし、そこに和太鼓の特徴を盛込んだ方式のものが多いです。

学校の授業で習ったこと

西洋音楽の記譜法は、学校の音楽の授業で習います。

しかし、楽譜を苦手とする人の多くは、学校で習った知識を忘れています。

私がまさにそうでした。

私は30才で和太鼓を始めましたが、学校で習った西洋音楽の記譜法はすっかり忘れてさっており、最初は楽譜がチンプンカンプンでした。

それをチョットずつ復習して、楽譜を克服してきました。

大人になって和太鼓を始める人の中には、私のような人がたくさんいるのではないでしょうか?

なので、楽譜が苦手な人がまずやるべきことは、学校の音楽の勉強の復習なのです。

全部覚える必要はない

さて、学校で習った西洋音楽の記譜法では、難しい用語がたくさん出てきます。

でも、和太鼓を楽しむために必要な用語はその一部です。

沢山ある用語の中から和太鼓に必要な用語を見極め、適切な順番で、正確に覚えることが、楽譜を克服するためのコツです。

全部覚える必要はないのです。

和太鼓に必要な楽譜の知識は、本ブログで紹介していきますので、お楽しみに。

和太鼓の特有の要素の表現方法

西洋音楽の記譜法を理解できていれば、和太鼓特有な記法の部分は、比較的かんたんに覚えることが出来ます。

ただ、和太鼓に特有な要素の記法は、まだ著者ごとの表現方法になっており、体系化されたものは無いと思います。

また、それが網羅的に書かれた教本は見たことありません。

なのでここでは、私が太鼓歴20年の中で見聞きした楽譜のなかから、和太鼓に特有の表現のエッセンスを抽出して紹介します。

尚、これらは代表的な例であり、これがすべてでは無いという前提でお付き合いください。

叩く手順

あるリズムを叩くとき、太鼓を左右どっちの手でたたくのか、その順番を手順といいます。

自然な動きの手順、効率的な手順、見栄えのよい手順など、和太鼓では手順は重要な要素です。

なので、和太鼓の楽譜には手順が指示されていることが多いです。

手順の表し方には、大きく2つの方法があります。

  1. 音符の上下の位置で表現
  2. 音符とは別の記号で表現

上下法

音符の上下の位置で手順を表すケース

上の図は、音符の上下の高さで手順を示している例です。

一本線の上側の音符が右手、下側の音符が左手です。

それぞれの音をどっちの手で叩くのか、一目でわかります。

見間違いが少ないので、小学生や初心者の方が楽曲の手順を覚えるのに適しています。

一方、複雑で細かいリズムになってくると、リズム構造を一目で把握しにくくなります。

RL法

音符とは別の記号で手順を表すケース

上の図は、音符とは別の記号で手順を表現した例です。

各音符の下に手順をR、L、Bの3つの記号で指示しています。

R(Right)は右手、L(Left)は左手、B(Both)は両手の意味です。

手順を表す記号としては、これ以外にもカタカナで「ミ/ヒ」とか 、漢字で「右/左」といった表し方もあります。

メリット、デメリット

2つの表現方式のメリット、デメリットを整理してみました。

方式 メリット デメリット
上下法
  • 手順が一目で分かりやすい。
  • 1つの一本線で複数の種類の太鼓を表現できない。
  • 作曲のとき音が確認できない。(上下で音が変わってしまう)
  • 楽譜作成のとき、上下の書き分けが面倒。
RL法
  • 複数の太鼓を一つの楽譜上に表現できる。
  • 作曲するとき音を確認しながらできる。
  • 手順を気にせず、リズムに集中して作曲、記譜できる。
  • 基本的な手順の場合は、手順の記載を省略できる。
  • ぱっと見では、RかLかBかを見間違えることがある。

どっちの表現が多い?

市販の和太鼓の楽譜や教則本は、上下方式が多いですね。

など。

一方で、プロ奏者のワークショップや講習会で配られる楽譜は、RLB方式がほとんどです。

フチ打ち

和太鼓では、打面のフチや鋲を叩いて「カッ」という音を出すことがあります。これを「フチ打ち」といいます。

ゲームの「太鼓の達人」でいえば、水色マークの部分が「カッ」ですね。

太鼓の達人のフチ打ち

このフチ打ちは、音符の符頭を「×」で表現します。

フチ打ちの記法

口唱歌

口唱歌とは、例えば「ドン カッ ドド カッ」のようにリズムを言葉にしたものです。口唱歌は、リズムのイメージがわかりやすく伝えることができます。

口唱歌を楽譜に記入

上の例のように、音符の下に口唱歌を記載するケースをよくみかけます。

尚、口唱歌は、あくまでもイメージとして伝えるもので、複雑なリズムやアクセントを正確に伝えることには向いていません。

口唱歌の一字一句を厳密の覚えるのではなく、リズムのイメージを把握できたら、音符を見て正確性を上げていくというような使い方が良いと思います。

一線譜

楽譜には五線譜と一線譜があります。和太鼓では、通常は一線譜を使いますが、セット太鼓のときは五線譜を使います。

五線譜はその名のとおり5本の線で構成される楽譜、一線譜は1本の線のみで構成される楽譜です。

五線譜の例

一線譜の例

五線譜は、メロディを奏でる楽器に用いられます。音階があるので音部記号を最初に書きます。音部記号とは、どの線を何の音にするかを指定する記号です。

一線譜は、メロディーのない打楽器に用いられます。一線譜では音部記号は書きません。

1台の和太鼓を叩く楽曲では一線譜を使います。五線譜を使っても問題はないですが、一線譜の方が分かりやすいと思います。

セット太鼓

ドラムのように、1人で数個の太鼓をセットにして演奏する打ち方をセット太鼓といいます。

セット太鼓の場合は五線譜を用い、五線譜の各線に太鼓を割り付ることで表現します。

例えば、締め太鼓、長胴太鼓、桶胴太鼓の三点セットの場合は、以下の様に記載します。

セット太鼓のときの楽譜

第五線の上にある音符が締め太鼓用、第三線と第四線の間にある音符が長胴太鼓用、第一線上にある音符が桶胴太鼓用です。

手順はRL法で指示します。セット太鼓の場合、上下法では手順を表現できません。

まとめ

和太鼓の楽譜を理解するには、西洋音楽の記譜法と和太鼓に特有の記譜法の両方の知識が必要です。

西洋音楽の記譜法は、学校で習った内容なので、それを復習しましょう。

和太鼓に特有の記譜法として以下を紹介しました。

  1. 手順の表現方式(上下法、RL法)
  2. フチ打ち
  3. 口唱歌
  4. 一線譜
  5. セット太鼓

さて、伝統的な和太鼓や盆踊りの太鼓などは、そこでの固有のやり方があって、それが地域や文化にあっているから続いているのだと思います。

一方で、その世界だけにとらわれず、自由にいろんな音楽に触れ、自分たちの楽曲をアレンジし、いろんな楽器とアンサンブルして、楽しく太鼓ライフを送るというのもよいと思います。

大切なことは、いろんなものを見て、よい所は残し、改善すべきところは改善していくという姿勢だと思います。

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